2025.05.07

東京都が家賃上昇:住宅購入の最新動向【2025年版】

近年、東京都内の家賃が急速に上昇しており、特に東京23区では2024年に前年比で大幅な値上がりが確認されています。ファミリー向け・シングル向けを問わず、賃貸需要の高まりと供給制限が重なり、住居費の負担がかつてないレベルに達しようとしています。

こうした動向は、住宅購入を検討する方にとって“買うか借りるか”の判断材料として無視できません。本記事では、最新の家賃上昇トレンドとその背景、今後の見通しを踏まえた上で、「購入」という選択肢をどう考えるべきかについて解説します。

家賃上昇の現状

2024年の第1四半期、東京23区の家賃水準は大きく変動しました。ファミリータイプの平均賃料は前年の約24.7万円から、今年は30.6万円へと約6万円の大幅な上昇を記録しました(出典:イエラブニュース)。

また、シングル向け物件でも家賃は右肩上がりになっています。
2024年3月には、平均賃料が初めて10万円を突破し、前年比で8.0%上昇の10万1,232円となりました(出典:LIFULL HOME’S)。

特に人気エリア(港区、中央区、渋谷区など)では、賃料の高騰が著しく、物件によっては2~3年で20%近く上昇しているケースもあります。賃貸物件を利用している人にとっては、確実な“コスト増”であり、長期的な住居戦略を再考するきっかけになっています。

家賃上昇の背景

東京都の家賃がここまで高騰している背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。

1. 分譲マンション価格の高騰

新築マンション価格の上昇は、購入をあきらめる層の増加を招き、賃貸市場に人が流れています。特に都心部では新築1LDKで1億円超えも珍しくなく、購入をためらう若年層・共働き世帯が賃貸を選ぶ傾向が顕著です。新築マンションの価格上昇には、物価増や人件費増などの複雑な要因が絡み合っているため、解消される見通しは立っていません。

2. 建築・修繕費の上昇

資材価格や人件費の高騰は、建築費に反映され、それは新築だけでなく、既存の賃貸物件の現状海部t九費用や、リノベーションなどの修繕費や管理費にも派生して影響しています。結果として、家賃の値上げが正当化される構造になっているのです(出典:日本総合研究所)。

3. 都心回帰とインバウンド復活

コロナ禍で一時的に郊外に移った人々が再び都心に戻る動きも顕著になっています。会社の方針が変わり、出社再開に伴う利便性重視、教育環境や医療インフラへの評価が、都心の賃貸需要を再加熱しています。また、外国人駐在員や富裕層向けの賃貸ニーズの回復も一因として、価格上昇の原因となっています。

今後の見通しと、購入を検討するうえでのヒント

2025年以降も、家賃が「急落する」可能性は高くありません。むしろ、物価上昇・労務費上昇が続けば、賃料はさらに底上げされていく可能性があります。特に単身世帯や子育て世帯の都心ニーズは底堅く、投資用不動産の競争も続く中で、賃貸物件の供給余力は限られています。

こうした状況で、住宅購入を検討する方はどうすべきか?

✔️ 1.「月々の支払い」が変わらない安心感

家賃がじわじわ上昇し続けるのに対し、住宅ローンの支払いは固定金利であれば基本的に変わりません。現在の低金利を活用すれば、長期的には購入のほうが総支払額を抑えられるケースも少なくありません。

✔️ 2.「資産形成」としての視点

購入した物件は、将来的に売却益を得たり、賃貸運用したりと“資産”として機能します。これは家賃を「消費」として払い続ける賃貸とは大きな違いです。東京都心の不動産は依然として価値が高く、一定の流動性も維持されています。

✔️ 3.ライフスタイルに応じた選択を

もちろん、すぐに購入するのが正解とは限りません。単身で転職・転居の可能性が高い人、ライフステージが定まっていない人にとっては、フレキシビリティの高い賃貸が有利です。一方で、家賃の上昇リスクを避けたい人や、長期的に住みたい地域が決まっている人にとっては、今こそ購入のチャンスかもしれません。

まとめ:家賃上昇の波のなかで、「買う」という選択肢を見直す

東京都の家賃上昇は、もはや一時的なブームではなく、構造的なトレンドです。供給の限界、コストの上昇、都市生活への再評価といった要素が重なり、「住まい」の価格はこれからもじわじわと上がり続けると見られています。

住宅購入は、金額の大きな意思決定ではありますが、今後10年〜20年の「住まいの支出」を考えたとき、“買うことが最大の節約になる”という側面も持ち合わせています。
じわじわと上がり続けている家賃という“見えない損失”に気づいた今こそ、購入という選択肢を本気で考えるタイミングかもしれません。

「港区から世界のエンドユーザーへ!」を掲げ、コラムを執筆中。

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